日本産業技術教育学会

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一般社団法人 日本産業技術教育学会

代表理事(会長)挨拶

一般社団法人日本産業技術教育学会 代表理事(会長)の就任にあたって

一般社団法人日本産業技術教育学会 代表理事(会長) 村松浩幸(信州大学)

 一般社団法人日本産業技術教育学会の会長に2019年8月24日より就任させて戴きました。本学会の法人化後の本格的な運営を任されたことの責任の重さを感じると共に,本学会がこれまで以上に我が国の技術教育の研究および実践の発展に寄与できるよう進めてまいります。

 現在,我が国は急速に進む人口減少と高齢化の問題に直面し,その影響は学会の会員数減少等としても表出しつつあります。これは本学会のみならず,他の多くの学会,さらには行政や企業といった様々な組織が同様に抱える問題でもあります。こうした課題に対処していくためには,直近の運営のみならず,20年後,30年後を見据えた取り組みが必要であると考えます。次世代を担う子ども達や青少年の成長・発達および我が国の将来にとって必要不可欠な要素である技術教育を発展させていくためにも,これまで以上に学会員・役員の皆様のご協力・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。  本学会の運営方針を3点述べさせていただきます。

 第1に技術教育研究のさらなる発展への取り組みです。本学会は,「技術教育に関して国内唯一の日本学術会議協力学術研究団体」であり,「技術教育の発展に寄与すること」を目的としております。学術団体としての存在意義は,言うまでもなく技術教育研究の発展にあります。これまでの本学会の研究の蓄積を大切にしつつ,より発展できるように取り組んでまいります。例えば,法人化に伴い実現された学会誌の電子化も,コスト削減効果と共に,本学会での研究成果を多くの人に知ってもらう契機にもなります。積極的に情報発信をし,技術教育研究への関心を高めることで,研究の質的・量的向上につなげていきたいと考えます。また,学会内でもこれまで以上に会員相互のコミュニケーションを活性化し,技術教育研究についての議論を活性化することにも力を入れたいと考えます。同時に,海外の技術教育に係わる学会・研究団体との連携もこれまで以上に深め,研究のグローバル化への対応も進めていきます。

 第2に学校現場との連携の強化です。全国の教員養成系大学で進む改組や教職大学院への移行は,従来型の研究組織の弱体化等につながるのではと懸念もされています。こうした研究環境や教員養成の変化に柔軟に対応していくためには,これまで以上に学校現場と連携することが不可欠です。また,小学校でのプログラミング教育への支援,中学校での技術教育の内容の高度化,高等学校での情報教育の高度化,大学でのAI教育の検討等,技術教育に関する必要性や重要性は加速度的に増大しております。こうした課題について本学会が学校現場と共有しつつ,学校現場での実践や研究に寄与できるように進めていきます。組織的にも,本格的に始まった全日本技術・家庭科研究会様との連携を筆頭に,学校現場の研究団体,さらには関連するメーカー等の企業様との連携も進め,本学会が学校種を超えて学校現場と広く連携できるようにしていきます。

 第3に学会経営基盤の強化です。前・菊地会長を中心とした皆様のご尽力により,本学会は2018年に任意団体から,一般社団法人へと移行することができました。これにより,これまで事務局を担っていただいた大学の先生方の多大な労力を業務委託で削減すると共に,法人として受託事業等も展開することが可能になりました。技術教育研究のさらなる発展や学校現場との連携の実現は,学会本体の経営基盤の強化なくしては実現できません。学会員数増加への取り組みと共に,法人化のメリットを生かせるような展開をしていきたいと考えております。

 以上,3つの方針に従って,会員の皆様からのご支援は元より学会員以外の皆様からも幅広いご支援を戴き,本学会が我が国における就学前・初等・中等・高等・社会人教育を包括した工作・工業・工学・農学・情報教育を含むものづくり教育としての技術教育の発展に貢献できるよう,尽力していきたいと考えております。

2019年8月25日


一般社団法人 日本産業技術教育学会 設立趣意書