一般社団法人 日本産業技術教育学会
代表理事(会長)挨拶
一般社団法人日本産業技術教育学会 代表理事(会長)の就任にあたって
この度、2025年8月23日開催の一般社団法人 日本産業技術教育学会社員総会にて、代表理事(会長)を拝命致しました。改めまして、皆さま、どうぞ宜しくお願い致します。
日本産業技術教育学会は、1958年に発足した歴史ある学会で、技術教育の学術研究と教育実践の振興を図ってまいりました。2018年には一般社団法人となり、運営体制を強固なものとし、現在に至っています。このように、先輩諸先生方が築き上げられたこれまでの成果と基盤の上に、新会長として適切な学会運営とさらなる発展に向けた挑戦を担うことになり、大変大きな責任を感じています。
学会の運営方針と致しましては、ここでは3点を述べさせて頂きたいと思います。
第一に、研究面では、これまでと同様に、全国大会、支部大会、分科会、技術教育アイディアソン等の研究大会の開催、学会誌や実践事例書籍の刊行等による学術研究の推進を図ってまいります。その中で、特に、全国大会につきましては、実行委員会の在り方など、持続的に発展可能な運営体制の構築を図る改革を進めたいと思います。また、研究の質の向上に向けては、チュートリアルの開催、研究倫理やデータの取り扱い等に関するガイドラインの策定を進めてまいりたいと思います。加えて、今回、奈良教育大学で開催されたICTE2025の成果を基盤として、国際的な研究活動のさらなる交流・連携を図ってまいりたいと考えております。
第二に、普及・啓発・研修につきましては、次期学習指導要領の改訂に関して、学会として取り組むべき事項を検討し、タイミングよくこれを実施してまいりたいと思います。その上で、中学校技術科や高校情報科、あるいは小学校に新設される可能性のある情報領域などの指導体制を強化するために、文部科学省や全日本中学校技術・家庭科研究会、他の関連学会等と連携し、シンポジウム開催、免許法認定公開講座、オンデマンド研修、動画コンテンツ配信などをはじめとした学会主催の啓発活動、教員研修、学校現場への支援を展開してまいりたいと考えています。加えて、本学会の学会員は言うまでもなく、広く理工系、いわゆるSTEM分野における女性の活躍、男女共同参画の推進を図る取り組みを進めてまいりたいと考えています。
第三に、運営面では、健全な財務状況を維持するとともに、運営業務の効率化を図り、持続可能な運営体制の構築を図りたいと考えています。特に、会長・副会長の役割分担を見直し、庶務、会計、広報等担当理事、並びに事務支局とのスムーズな連携体制の構築を図りたいと考えています。同時に、学会員が学会に求めるニーズを的確に把握し、それに応えうるサービスの充実や、学会員数増加に向けた継続的な取り組みを進めてまいりたいと思います。
こうした一連の取り組みを進めるために、必要なワーキンググループや特任理事を機動的に設置し、プロジェクトを推進してまいります。プロジェクトによっては、広く学会員の皆さまにご参画を呼び掛けさせて頂くことも考えています。その際は、ぜひともお力添えを頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。
変化の激しい社会に対応すべく教育改革の議論が加速する中、本学会が提唱する新しい技術教育の枠組みや考え方などを広く社会に発信していくことが求められています。加えて、さらに数年先を見据えた理論的、実践的な技術教育研究を推進していくことが大切です。テクノロジーの学びが、すべての子供と未来の社会のために必要不可欠であるという認識を皆さまと共有した上で、学会として何ができるのか、何をするべきかを、皆さまと一緒に考え、取り組みを進めてまいります。皆様のご指導、ご支援、ご協力のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。